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2号はロクロク【後編】 [針穴カメラ]

 
2号のシェイクダウン、カラーでいってみました。




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まず、中枠にフィルムをセット、空スプールに裏紙を巻き付けて




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フィルムが緩まないように押さえながら内箱に入れて裏蓋を閉めます。
念のため、裏蓋が開かないように両サイドをパーマセルテープで封印。




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スプールの切り込みと巻き上げ軸の突起位置を合わせて外箱を被せます。




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内箱と外箱をパーマセルテープで封印、赤窓に『1』が出るまで巻き上げて




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最後に、巻き上げノブが動かないように固定、ピンホールも塞いで準備完了!




日帰り温泉に持ち出して撮影してきましたよ。







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HARRYBLAD 38mm/F180






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一枚目の手前、下草部分の拡大。
う〜ん....。
レンズなし、穴ボコだけでここまで写れば上等じゃない?<--っていうか、不思議ー



さすが6×6。
ちょっとアンダー気味だったけど期待以上の写りデス。<--しかし、相反則不軌って難しいなぁ


2号はロクロク【前編】 [針穴カメラ]

 
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針穴カメラ2号です。
やりましたよー、今度は完全自作!
フォーマットは中判、120フィルム使用の6×6です。


なんてったって、ロクロクですからね。
月を制したカメラから名前を拝借、その名も『HARRYBLAD』です。


ボディは、外箱、内箱、中枠の三層構造。
材料は例によってイラストボードとパーマセルテープなど、
巻き上げノブは息子から分けてもらったペットボトルのキャップです。



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外箱の内側。
ピンホール、シャッター、巻き上げ機構は全て外箱に付いてます。
巻き上げの軸はダンゴの串にコピー紙を巻いて外径を調整した後
マジックで黒く塗ってエポキシ系接着剤で固めました。



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新開発のシャッターです。
基本は1号と同じギロチン方式だけど
設計を一から見直し、耐久性とメンテナンス性をアップさせました。


この新シャッターの駆動力?は、なんと、輪ゴム。
クリップに引っかけた輪ゴムの張力で常にギロチンを閉じておく仕組みです。

レリーズケーブルを押し込んでギロチンをスライドさせると
ギロチン上に開いてるスリットが光路上に移動してシャッター開状態。

レリーズを放すと『ピシャ』って瞬時に閉状態となるのだ。<-- さすが、輪ゴムパワーです
輪ゴムを外せば直接ギロチンを手でスライドさせてシャッターを切ることも可能です。


レリーズ取付け部ははめ込み式に改めました。
この部分、1号ではカッコ良くレリーズを付けようとナットを埋め込んだのですが
使っているうちにタップを嘗めてしまい付かなくなってしまったんです(泣)

カッコ良くても壊れやすいんじゃ意味ないですからね、
今回は耐久性重視ということでこの仕様に落ち着きました。



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内箱です。
フィルムをセットした中枠を収容します。
圧板には赤窓用の丸穴があり、外箱の丸窓と合うようになってます。
赤窓用のセロファンも息子にお願いして分けてもらいました。
底部は外箱の底になるので三脚取付け用のナットが仕込んであります。



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中枠です。
撮影する時は左に空スプールを、右にフィルムをセットします。
巻き取り側は外箱の巻き上げ軸とスプールが直接噛むように
内箱〜中枠と穴が貫通してます。


と、作りはざっとこんな感じです。


針穴2号『HARRYBLAD』のスペックを整理すると・・・

・ピンホール径:約0.2mm(厚みは?です)
・焦点距離:約38mm
・水平画角:約74°(35mm換算でf=24mm相当)
・絞り値:約180
・使用フィルム:120
・有効画面サイズ:56mm×56mm
・本体サイズ:170W×48D×88H(巻き上げノブ含まず)



針穴2号のピンホール、かなりいい線いってると思うんですよ。
6×6サイズと相まってどんな写りをするのか楽しみデス。


針穴1号への道(その3) [針穴カメラ]

さぁー、自由研究も大詰め。
ポラホルダーが手に入ったので、いよいよボディの製作に着手。
これまで紆余曲折もあり、ホルダーを入手するまで時間がかかったので
その間に本やネットで情報を収集、それなりの構想はできてるのだ。


hariP_cad.jpg
ホルダーとボディのジョイントの仕口を観察し必要箇所を採寸。
CAD上で画角、焦点距離、F値などを考えながらアウトラインを設計、
目標スペックをピンホール径=0.3mm、f=60mm、F=200としました。


材料は、イラストボードとパーマセルテープ、木工用ボンドなど。
ピンホールは一番手軽な『アルミホイルにマチ針で穴開け』をチョイス。



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父親の自由研究、『針穴1号』切った貼ったで堂々の完成!
 ↑
何故か?いきなりの完成。作るのに忙しくって記録とってなかった・・・


ピンホールは一番身近にある材料=アルミホイルを使ったけど
なかなか満足のいくものができなくて何度も作り直しました。
ピンホールの厚みは薄ければ薄いほど良いらしいんだけど
厚さが0.012mmのアルミホイルは柔すぎて難しかった。

最終スペックは、ピンホール径=0.25mmぐらい、f=60mmぐらい。
画面サイズは、95mm×73mm。←ポラロイドのスタンダードサイズね

レンズの明るさは、焦点距離(f)÷ 有効口径(φ)で求められるので
針穴1号にあてはめて計算すると、60÷0.25=240。
240のままだと露出計算が大変なので、近似のF値に置き換えるとF=1:256。
絞りが256ってことは、ISO100、晴天の順光でシャッタースピードが2秒。
最速が2秒なら、なんとか手動で切れるでしょう。

水平画角は約77°なので、35mm換算で24mmよりちょっと広角な感じ。
一応、シャッターはケーブルレリーズによるギロチン式です。



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『針穴』の『ポラロイド』なので『Haripola』と命名。
それらしくロゴをつくってプレートを付けたら全体がグッと引き締るでしょ?


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ボディとホルダーを分離したところ。
ホルダーの固定はパーマセルテープで。←いい加減? でも、全然大丈夫ですよ

造りに自信がないから、撮影しない時はピンホールもパーマセルテープで遮光してあるし
ホルダーにも引きフタがあるので、光線漏れにナーバスにならなくてもよいのだ。


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調子にのって周辺ツールも揃える。
左からジャンクの露出計とストップウォッチ、そして、自作露出スケール。
露出計はアンダー気味なのでテープを貼って調整。←そんなやり方でいいのか?
露出スケールはいちいち計算しなくていいのですごく便利ですよ。



息子をアシスタントに、いざ撮影!

Haripola 60mm/F256 フィルムは640と690(ともにISO100)
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露光は4秒、本人はじっとしているつもりなんですけどね・・・


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後部座席に固定、走りながら5分くらいの露光。車窓が全部流れちゃってます。


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ベンチに座って。カメラの位置はボクの膝より手前。



初号機にしてはピンホールの出来が良かったのか
想像以上にシャープな描画に驚きました。
3枚目、ジーンズの縦落ち具合などよく撮れてると思う。

ただ、たいがい少しアンダー気味になってしまうんだよな。
長時間露光時の相反則不軌の影響をどの程度補正するのかが結構むずかしい。
F値もアバウト、ジャンクの露出計とストップウォッチってのも原因なんだろうけど・・・


ふつう、カメラは瞬間を切り取るって感じだけど
針穴の場合、時間を定着するって感じ。
単に露光時間が長いので、そんな気がするだけなのかな?

でも、できあがった写真を見てみると
ブレてようが、ブレてなかろうが、そんなことに関係なく
シャッターを切っていた間の『時空』が
フィルム上にジンワリと定着されてるように感じるから不思議。



▷針穴1号への道(その1)
http://om19-bwvege.blog.so-net.ne.jp/2009-03-03

▷針穴1号への道(その2)
http://om19-bwvege.blog.so-net.ne.jp/2009-03-07

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